小児矯正はいつ終わる?
「長い」と感じる理由
期間が長いのは成長を待つ時間(経過観察)が含まれるから
I期治療とII期治療のタイムラインを詳しく解説します
標準的な治療期間
1〜3年
1期治療のみで完了する場合(治療開始から保定期間終了まで)
1期治療のみで完了(約60%)
1期+2期治療が必要な場合(約40%)
1期治療(小児矯正)の期間
顎の成長を利用した治療フェーズ
1期治療の標準期間:1〜3年
対象年齢:3〜12歳(混合歯列期)
使用装置:拡大床、機能的矯正装置、MFTトレーナーなど
積極的治療期間:6〜24ヶ月
装置を装着して、顎の拡大や歯の移動を行う期間
- •月に1回の通院(調整・経過観察)
- •装置の装着時間を厳守(12〜16時間/日)
- •歯並びの変化を実感できる期間
保定期間:6〜12ヶ月
治療した歯並びを安定させる期間
- •保定装置の装着(主に就寝時)
- •2〜3ヶ月に1回の通院
- •後戻りを防ぐ重要な期間
短い場合(6〜9ヶ月)
- ✓軽度の叢生や交叉咬合
- ✓開始年齢が早い(3〜6歳)
- ✓装着時間を厳守している
標準的(1〜1.5年)
- ✓中等度の不正咬合
- ✓6〜9歳での開始
- ✓指示通りの装着時間
長い場合(1.5〜2年)
- •重度の不正咬合
- •開始年齢が遅い(9歳以降)
- •装着時間が不十分
2期治療(本格矯正)の期間
永久歯列期の仕上げ矯正
2期治療の期間:1〜3年
対象年齢:12歳以降(永久歯列期)
使用装置:ワイヤー矯正、マウスピース矯正など
1期治療を行った場合
1期治療で顎のバランスが整っているため、細かい調整のみで完了
- 抜歯の可能性が低い
- 治療範囲が限定的
- 費用も抑えられる(30〜60万円)
1期治療を行わなかった場合
顎のバランス調整と歯の移動を同時に行うため、治療が複雑化
- 抜歯が必要になる可能性が高い
- 治療範囲が広範囲
- 費用が高額(60〜80万円)
エビデンス:Tulloch et al. (2004) の研究では、1期治療を行った群は2期治療のみの群と比較して、総治療期間が平均40%短縮(24ヶ月 vs. 40ヶ月)されたことが報告されています。
治療期間に影響する5つの要因
治療期間が長くなる・短くなる理由
開始年齢
✓ 期間が短くなる
3〜7歳で開始:顎の成長を最大限利用でき、骨の拡大が容易。6〜24ヶ月で1期治療完了が可能。
× 期間が長くなる
9歳以降で開始:顎の成長が鈍化し、骨の拡大が困難。1〜2年以上かかるケースが増加。
不正咬合の重症度
軽度
6〜9ヶ月
軽い叢生、交叉咬合など
中等度
1〜1.5年
出っ歯、受け口など
重度
1.5〜2年+
骨格的な問題、重度の叢生
装着時間の遵守
✓ 指示通り(14〜16時間/日)
- •計画通りの期間で完了
- •後戻りのリスクが低い
- •追加費用なし
× 不十分(10時間以下/日)
- •治療期間が1.5〜2倍に延長
- •後戻りが発生しやすい
- •装置の再製作が必要になることも
定期通院の遵守
月に1回の定期調整に通えなくなると、治療の進行が遅れ、期間が延びます。特に拡大床などは定期的な調整が必須です。
例:3回連続で調整を延期すると、約3ヶ月の遅延が発生。1年の予定が1年3ヶ月に延長される可能性があります。
悪習癖の有無
期間を延ばす悪習癖
- •指しゃぶり:前歯が前に押し出される
- •舌癖:矯正した歯が元に戻る
- •口呼吸:顎の成長に悪影響
対策
MFT(口腔筋機能療法)を併用することで、悪習癖を改善し、治療期間の延長を防ぎます。
早期に悪習癖を改善すれば、治療期間を3〜6ヶ月短縮できる可能性があります
よくある質問
治療期間を短くする方法はありますか?
A. 以下の3点を守ることで、計画通りの期間で完了できます:
- ✓装置の装着時間を厳守(14〜16時間/日)
- ✓月1回の定期調整を必ず受診
- ✓悪習癖(指しゃぶり・舌癖など)をMFTで改善
早期に治療を開始することで、より短期間で効果的な治療が可能です。3〜7歳で開始した場合、6〜12ヶ月で完了できるケースも多くあります。
1期治療だけで終わる確率はどのくらいですか?
A. 約60%のお子さまは1期治療のみで治療が完了します。特に、6〜9歳で治療を開始し、装着時間を守った場合は、2期治療が不要になる確率が高まります。
早期開始のメリット:1期治療で顎のバランスを整えることで、永久歯が正しい位置に生え揃いやすくなり、2期治療が不要になるケースが多くなります。
2期治療はいつから始めますか?
A. 永久歯が生え揃う12〜14歳頃から開始します。1期治療終了後、1〜2年の観察期間を設け、永久歯の萌出状況を確認してから2期治療の必要性を判断します。
重要:すぐに開始するのではなく、適切なタイミングを見極めることが重要です。観察期間中は2〜3ヶ月に1回の通院で経過を確認します。
治療期間中、通院頻度はどのくらいですか?
A. 治療段階によって通院頻度が異なります:
- •1期治療(積極的治療期間):月に1回の調整
- •保定期間:2〜3ヶ月に1回の経過観察
- •2期治療:月に1回の調整
ポイント:定期的な通院を守ることで、計画通りに治療が進み、期間の延長を防げます。
装置をつけたまま部活やスポーツはできますか?
A. はい、ほとんどの部活動やスポーツは問題なく行えます。
- ✓取り外し式装置(拡大床など):スポーツ時には外すことができます
- ✓固定式装置:マウスガードの使用をお勧めします
注意:コンタクトスポーツ(ラグビー、柔道など)の場合は、安全のため装置を外すか、専用のマウスガードを使用することをお勧めします。
保定期間を守らないとどうなりますか?
A. 保定装置を使用しないと、せっかく整えた歯並びが元に戻ってしまいます(後戻り)。
- ⚠治療直後の6ヶ月間は特に後戻りしやすい時期です
- ⚠後戻りした場合、再治療が必要になります
- ⚠追加の期間と費用がかかります
重要:保定期間は治療の一部です。保定装置の使用を守ることで、治療の成果を長期的に維持できます。