虫歯の進行段階
C0からC4まで、進行度別の症状と治療法
虫歯は進行段階によって症状や治療法が大きく異なります
結論:早期発見・早期治療で歯を守る
虫歯の進行度は、英語でむし歯を意味するCaries(カリエス)の頭文字を取った「C0、C1〜C4」で表され、数字が大きくなるにつれ重症になります。
進行段階と痛みの関係
- C0〜C1:痛みはほとんどなく、削らずに治療できる可能性あり
- C2:冷たいものがしみ始め、詰め物が必要
- C3:激しい痛みがあり、神経を抜く根管治療が必要
- C4:神経が死んで痛みは減るが、抜歯の可能性が高い
痛みが出る前に発見できれば、治療も最小限で済みます。定期検診での早期発見が、歯を守る鍵となります。
C0(初期虫歯)
歯の表面が白く濁っている状態で、まだ穴は開いていません。痛みやしみるなどの自覚症状はほとんどありません。
C0の特徴:
- 症状:エナメル質の表面が白く濁っている(脱灰)
- 痛み:なし
- 治療法:フッ素塗布、再石灰化療法、経過観察
- 特記事項:削らずに治せる可能性が高い
この段階で発見できれば:適切なブラッシングとフッ素塗布で、自然に修復(再石灰化)できる可能性があります。削る必要がない最良の段階です。
C1(エナメル質の虫歯)
エナメル質に小さな穴が開いた状態です。エナメル質には神経がないため、痛みや不快感はほとんどありません。
C1の特徴:
- 症状:歯の表面に小さな黒ずみや穴
- 痛み:ほとんどなし
- 治療法:小さな詰め物(コンポジットレジン)
- 治療回数:通常1回で完了
早期治療のメリット:小さな詰め物(コンポジットレジン)で治療でき、1回の通院で完了します。費用も最小限(保険適用で約1,000円〜2,000円)で済みます。
C2(象牙質の虫歯)
虫歯がエナメル質を越えて象牙質まで進行した状態です。象牙質には神経につながる小さな管があるため、冷たいものや甘いものがしみ始めます。
C2の特徴:
- 症状:冷たいもの、甘いものがしみる
- 痛み:一時的な痛み(刺激があるときのみ)
- 治療法:詰め物(インレー)または被せ物(クラウン)
- 治療回数:2〜3回
放置すると:神経まで虫歯が進行し、激しい痛みを伴うC3に進行します。この段階で治療すれば、神経を残せる可能性が高いです。
C3(神経まで達した虫歯)
虫歯が歯髄(神経)まで達した状態です。何もしていなくてもズキズキと激しく痛みます。特に夜間に痛みが強くなる傾向があります。
C3の特徴:
- 症状:激しい自発痛、熱いものもしみる
- 痛み:常時痛む(特に夜間)
- 治療法:根管治療(神経を抜く)+ 被せ物
- 治療回数:5〜10回(根の数や状態による)
根管治療が必要:感染した神経を取り除き、根管内を消毒・洗浄してから薬を詰める治療が必要です。治療期間が長く(数週間〜数ヶ月)、費用も高額になります。
C4(歯根だけ残った状態)
歯の大部分が崩壊し、歯根だけが残った状態です。神経が完全に死んでしまうため、C3の段階で感じていた激しい痛みは逆に軽減することがあります。
C4の特徴:
- 症状:歯冠が崩壊、歯根のみ残存
- 痛み:神経が死んで一時的に痛みは減少(根の先に膿が溜まると再び激痛)
- 治療法:多くの場合抜歯、その後インプラント・ブリッジ・入れ歯
- 費用:抜歯後の処置で数万円〜数十万円
歯を失うリスク:根の先に膿が溜まると顎の骨を溶かし、全身の健康にも悪影響を及ぼします。抜歯後は、インプラント(30万円〜)、ブリッジ(数万円〜)、入れ歯などの治療が必要になります。
早期発見のメリット
治療が簡単
C0〜C1の段階で発見できれば、削る量が少なく、1回の通院で治療が完了します。
費用が安い
初期虫歯の治療費は数千円程度。進行すると数万円〜数十万円かかります。
神経を残せる
C2までに治療すれば神経を残せます。神経を失うと歯がもろくなり寿命が短くなります。
痛みが少ない
初期段階では痛みがないため、麻酔も不要な場合が多く、治療中の負担が軽減されます。
よくある質問
C0の虫歯は削らずに治りますか?
A. はい、C0の段階では削らずに治せる可能性があります。適切なブラッシング、フッ素塗布、食生活の改善により、再石灰化(歯の修復)が期待できます。
ただし、定期的な観察が必要です。進行が止まらない場合や、穴が開いてしまった場合は、削って詰める治療が必要になります。定期検診で経過を確認しましょう。
虫歯はどのくらいのスピードで進行しますか?
A. 進行速度は個人差がありますが、一般的にはC0からC2まで数ヶ月〜数年、C2からC3までは数ヶ月〜1年程度と言われています。
年齢、口腔環境、食生活、唾液の量や質によって進行速度は異なります。子どもの乳歯や永久歯は柔らかく進行が早い傾向があります。定期検診(3〜6ヶ月ごと)で早期発見することが重要です。
C3の虫歯は必ず神経を抜かないといけませんか?
A. C3でも、神経の一部が生きている場合は神経を残せることがありますが、多くの場合は根管治療(神経を抜く治療)が必要です。
神経の炎症が軽度で、可逆的な場合は、MTAセメントなどの薬剤を使用して神経を保存する「歯髄温存療法」を行うこともあります。ただし、成功率は100%ではなく、その後根管治療が必要になる場合もあります。
痛みがなくても虫歯は進行していますか?
A. はい、痛みがなくても虫歯は進行します。C0〜C2の段階では痛みを感じないことが多いため、自覚症状がなくても定期検診が重要です。
「痛くないから大丈夫」は大きな間違いです。痛みを感じる頃にはC3まで進行していることが多く、神経を抜く治療が必要になります。3〜6ヶ月ごとの定期検診で早期発見しましょう。
C4でも歯を残せることはありますか?
A. 歯根の状態が良好で、十分な長さがあれば残せる可能性がありますが、多くの場合は抜歯となります。
歯を残す場合は、歯根を利用してコア(土台)を立て、クラウン(被せ物)で修復します。ただし、歯根が割れていたり、骨の吸収が著しい場合は抜歯が必要です。抜歯後はインプラント、ブリッジ、入れ歯などの選択肢があります。