取り外し式装置

拡大床(かくだいしょう)

顎を横に広げて永久歯のスペースを確保する、こども矯正で最も一般的に使用される装置です

対象年齢: 3〜9歳期間: 6〜12ヶ月取り外し可能

拡大床とは

取り外し可能なプレート型の矯正装置

拡大床の仕組み

拡大床は、プラスチック製のプレートと金属製のワイヤーで構成された取り外し式の装置です。中央に組み込まれた「拡大ネジ」を定期的に回すことで、少しずつ顎の骨を横に広げていきます。

1プレート部分

上顎または下顎の歯列に沿ったプラスチック製の床

2拡大ネジ

中央の金属ネジを回すことで装置が少しずつ広がる

3クラスプ

装置を固定するための金属製のバネ(ワイヤー)

上顎拡大床

上顎の歯列を横に広げる装置。上顎は左右の骨が中央で結合しているため、成長期であれば骨自体を広げることが可能です。

適応症例

  • 上顎が狭く、永久歯のスペース不足
  • 交叉咬合(奥歯の咬み合わせが逆)
  • 叢生(歯が重なっている)

下顎拡大床

下顎の歯列を横に広げる装置。下顎は一体の骨のため、主に歯列の傾斜を改善します。

適応症例

  • 下顎の叢生(歯が重なっている)
  • 前歯が内側に倒れている
  • 上顎拡大との併用治療

拡大床のメリット・デメリット

拡大床を選択する前に知っておくべきポイント

メリット

  • 取り外し可能

    食事・歯磨き時に外せるため、衛生的で日常生活への影響が少ない

  • むし歯リスクが低い

    装置を外して歯磨きができるため、固定式に比べてむし歯になりにくい

  • 痛みが少ない

    少しずつ拡大するため、痛みや違和感が比較的少ない

  • 費用が比較的安い

    固定式装置に比べて製作費が安く、治療費を抑えられる

  • 緊急時に外せる

    スポーツや楽器演奏など、必要に応じて取り外せる

  • 抜歯を回避できる

    早期に顎を広げることで、将来的な抜歯を避けられる可能性が高まる

デメリット

  • 装着時間を守る必要がある

    1日12〜14時間以上の装着が必須。お子さまの協力性が求められる

  • 紛失・破損のリスク

    取り外し式のため、紛失や破損の可能性がある(再製作費用が発生)

  • 発音への影響

    装着時は発音がしづらく、慣れるまで数日〜数週間かかる

  • 効果が装着時間に依存

    装着時間が短いと効果が出ず、治療期間が延びる

  • 適応症例が限定的

    重度の不正咬合や骨格的な問題には効果が限定的

  • 後戻りのリスク

    拡大後、保定装置を使用しないと後戻りする可能性がある

使用方法と装着時間

効果を最大限に引き出すための正しい使い方

推奨装着時間

最低装着時間

12時間/日

効果を出すための最低ライン。これ以下では治療効果が期待できません

理想的な装着時間

14〜16時間/日

より確実な効果を得るための推奨時間。就寝時+日中の数時間

1

装着タイミング

  • 就寝時:必ず装着(8時間)
  • 帰宅後:夕方〜夜(4〜6時間)
  • 学校:基本的に不要
2

装着中に外す時

  • 食事の時
  • 歯磨きの時
  • スポーツをする時
  • 楽器を演奏する時
3

ネジの回転

  • 頻度:週に1〜2回
  • 方法:専用キーで90°回転
  • 担当:保護者の方が実施

装着時間が不足すると…

  • 拡大した顎が元に戻ってしまう(後戻り)
  • 治療期間が大幅に延びる(6ヶ月 → 12ヶ月以上)
  • 最悪の場合、治療を中断せざるを得ないことも

拡大床のお手入れ方法

清潔に保つための毎日のケア

1

毎食後の洗浄

装置を外した後は、必ず水またはぬるま湯で洗います。歯ブラシを使って優しくこすり、食べカスや汚れを落としましょう。

注意:熱湯は使用しないでください。プラスチックが変形する恐れがあります。

2

週に1〜2回の念入り洗浄

入れ歯洗浄剤(ポリデントなど)を使用して、装置を浸け置き洗いします。臭いや着色を防ぎ、清潔に保てます。

方法:コップに水と洗浄剤を入れ、装置を15〜30分浸す → 水でよくすすぐ

3

保管方法

使用しない時は、専用ケースに入れて保管します。ティッシュに包むと誤って捨ててしまうリスクがあるので注意。

✓ 良い保管方法

  • • 専用ケースに入れる
  • • 風通しの良い場所に置く
  • • 直射日光を避ける

× 悪い保管方法

  • • ティッシュに包む
  • • ポケットに入れる
  • • 高温の場所に置く

拡大床治療の流れ

初診から治療完了までのステップ

初診相談

30分

お子さまの歯並びを拝見し、拡大床治療の適応かどうかを判断します。治療の流れ・期間・費用について詳しくご説明します。

精密検査

60分

レントゲン撮影、口腔内写真撮影、歯型採取を行います。顎の骨の状態や歯並びを詳しく分析します。

診断・治療計画

30分

検査結果をもとに、具体的な治療計画を立てます。拡大量や治療期間、装着時間などを決定します。

装置の装着

30分

製作した拡大床を装着し、使用方法・ネジの回し方・お手入れ方法を丁寧にご指導します。

定期調整

月1回・20分

月に1回通院し、拡大状況を確認します。必要に応じて装置の調整を行います。

拡大完了・保定

6〜12ヶ月後

目標とする拡大量に達したら、後戻り防止のため保定装置に移行します。数ヶ月間の保定期間が必要です。

よくある質問

拡大床に関する保護者の方からのご質問

Q1痛みはありますか?

拡大ネジを回した直後は、少し圧迫感や違和感がありますが、強い痛みはほとんどありません。多くのお子さまは2〜3日で慣れます。もし痛みが強い場合は、ネジを回すペースを遅くするなどの調整が可能です。

痛みの程度

  • ネジを回した直後:軽い圧迫感(1〜2時間程度)
  • 2〜3日後:ほとんど気にならなくなる
  • 調整可能:痛みが強い場合はペース調整できます

Q2学校に装着していく必要がありますか?

基本的には不要です。拡大床は就寝時と帰宅後の装着で十分効果が得られます。ただし、より早く治療を進めたい場合や、医師が必要と判断した場合は、学校でも装着をお願いすることがあります。

基本的な装着時間

  • 就寝時(必須)
  • 帰宅後〜就寝前
  • 合計12〜14時間/日

学校での装着

  • 基本的に不要
  • 早期治療希望時は検討

Q3食事中は外しますか?

はい、必ず外してください。装着したまま食事をすると、装置が破損したり、食べカスが詰まって不衛生になります。食事後は歯磨きをしてから再度装着しましょう。

食事中の注意事項

  • 装着したまま食事NG:装置破損の原因
  • 食べカス詰まり:不衛生でむし歯リスク増
  • 正しい手順:外す → 食事 → 歯磨き → 装着

Q4何歳まで使えますか?

上顎拡大の場合、骨の成長が期待できる9〜10歳頃までが最も効果的です。それ以降でも歯列の拡大は可能ですが、骨自体を広げる効果は減少します。下顎拡大は年齢による制限が比較的緩やかです。

上顎拡大

  • 最適年齢:3〜9歳
  • 10歳以降:効果は減少するが可能
  • 骨の成長期が鍵

下顎拡大

  • 年齢制限:比較的緩やか
  • 歯列傾斜改善が主目的

Q5拡大後、元に戻ることはありますか?

拡大直後は後戻りのリスクがあります。そのため、拡大完了後も数ヶ月間は保定装置として使用を続けます。指示通りに装着すれば、後戻りはほとんど起こりません。

後戻り防止のポイント

  • 1.保定期間:拡大完了後3〜6ヶ月間継続使用
  • 2.装着時間:徐々に減らしていく
  • 3.定期検診:月1回のチェックで安心

指示通りに装着すれば、後戻りはほとんど起こりません

Q6費用はどのくらいですか?

当院では1期治療全体(拡大床含む)で35〜45万円です。トータルフィー制度のため、治療途中で追加費用が発生することはありません。詳しくは費用ページをご覧ください。

費用の内訳

  • 1期治療費:35〜45万円(拡大床含む)
  • トータルフィー制:追加費用なし
  • 含まれるもの:検査・診断・装置・調整・経過観察

お子さまに拡大床が
適しているか無料相談で確認できます

歯並びの状態を拝見し、拡大床治療が最適かどうかを診断します。他の装置との比較もご説明しますので、お気軽にご相談ください。

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